【事例・サービス】行動に移すことが難しいからこそ、ここまでやる!
コンサルティング的な仕事に対して、悪い印象をおもちの方も多いと思います。
その理由は次の通りです。
- 「〇〇をしたら良い」と分かりきったことを言われるが実行しにくい。
- アドバイスが抽象的であり、具体的な策が見えにくい(例:人間関係を良くしていきましょう)
- 予定通りの成果がでなかった場合、内容について後からダメ出しをされる。
- 時間と費用は必要だが、成果が得られるかは不明である。
もっと発信量を増やしていきましょうという話でしたね。
なぜ、これだけしか発信できなかったのですか。
これらは、私自身がコンサル会社を利用した際に感じたことです。
私は現在、「心理資本経営コンサルタント」として、様々な中小企業の経営に関わっていますが、中小企業の方々に私と同じような想いをして欲しくないと考えています。ですから、
目標に対する行動が完了するまで、私も中小企業と共に行動をする
ということ常に心がけています。
では、共に行動するとはどういうことでしょうか。具体的な事例を挙げながら解説します。
【目標の確認】とにかくいい人材を採用したい
株式会社インベントクリエイションは、「女性の30分フィットネス」で知られるカーブスの事業を行われています。業績も着々と伸びて、店舗数も増大していく一方ですが、ここで問題となるのは、「採用」です。
もちろん、採用するとなれば、「事業に適したいい人材が欲しい」ということになりますが、求人雑誌などに掲載をしても応募が少なく、採用に苦戦されていました。
これは、株式会社インベントクリエイションが悪いというのではなく、中小企業の場合、「採用」に関して大きな労力を割くことができないという現状があります。
そのため、「採用」に関するノウハウも持ち合わせておられないという状況でした。
【提案と協議】当たり前のことも丁寧に
「採用」について考える場合、当然「自社の魅力・強み」などを考えていく必要があります。
私の場合は、日頃から従業員・経営者・幹部の方々とも対話を行っていますので、様々な視点から、企業の利点・課題点などを見ることができました。
「こんなことを意味があるのか?」
これまでにも、経営者や従業員の方にも言われたことがあります。ところが、売上を伸ばすノウハウ・人材教育に関するノウハウの情報で溢れているにも関わらず、中小企業が衰退してしまっているのはなぜでしょうか。
様々な理由が考えられますが、この要因の一つに「内省支援(自分自身の行動や状態を振り返り、気づきを得て次の行動に活かしていくこと)」が、ほとんど行われていないためだと考えています。
ですから、私の場合は、「内省支援」を視野にいれて、日頃から様々な方と対話を行なっており、こうした点を踏まえて、次の様な提案を行いました。
- 株式会社インベントクリエイションの魅力・強みの見せ方
- 求人媒体雑誌の特徴の整理と媒体の取捨選択
こうした当たり前のことを行ったのですが、先にも触れたように日頃から従業員の方々と対話を行ってきたということは、提案を考える上でもかなり役立ったと感じています。
もう少し具体例をあげてみましょう。
インベントクリエイションの場合、次のような魅力的な特徴があります。
- 女性ばかりの職場であるが、人間関係が良好であるのが当然であるという社風ができている。
- 産休・育休に入るタイミングをあらかじめ予測しながら、人材確保・ローテーションを組んでいるために、産休・育休をとる際に気を遣う必要がない。
求人媒体には、こうした情報が掲載されることはほとんど見かけませんが、働き手にとっては、この2点は大きな魅力になるはずです。ところが、インベントクリエイションの従業員の方々は、こうした風土が当たり前になっているために、こうした素晴らしい魅力に気づいていなったかのです。
もちろん、こうした情報は求人媒体に掲載するように提案させていただきました。
こうした点に気付き、従業員の方のモチベーション・人間関係・描く理想の未来…なども踏まえて提案をしていかないと、行動がどうしても億劫になってしまうものです。
ただ、これだけでは、先に述べたコンサルティング的な仕事に対する悪い印象は払拭できませんから、さらに、次の様なことも提案し、実行しました。
【当たり前以上のアプローチ】ここまでしないと成果は出ない!
あなたも経験があると思いますが、「〇〇した方が良い」と分かっていても、実行に移せないことが多々あるものです。それは、あなたが怠けた訳ではなく、中小企業の経営者は、あまりにもやるべきことが多いためです。
株式会社インベントクリエイションの場合も、目先の業務に追われ、「採用」に関することは、どうしても後回しにになってしまっていたという状況だったのです。
これでは、いくら提案をし続けても結果に結びつくことはありません。
そこで、私は次のようなことを行いました。
学校訪問の際に利用する会社案内の作成
採用を目的として大学や専門学校を訪問するとなれば、当然、学生さん目線に合わせた会社案内が必要になります。今回、この会社案内も私の方で原稿を作成し、何度か経営者・幹部の方と校正を行って、印刷・製本の手配まで行いました。
大学・専門学校の訪問に同行
株式会社インベントクリエイションが求める人材を確保するには、大学や専門学校にアプローチをした方が良いと判断しました。ところが、今回の場合、経営者がいきなり、大学や専門学校の門を叩き、採用に関する情報を提供するというのは、大きなハードルになってしまうと判断しました。
そこで、人脈を活用しながら、話を聞いていただけそうな大学や専門学校をピックアップし、アポイントをとっておくことにしました。
約束の当日、私自身も株式会社インベントクリエイションの方と同行し、日本福祉大学・愛知瑞穂短期大学・中京大学などを訪問し、採用に関する情報を提供してきました。
私自身、単独でも採用に協力
こうした学校訪問に、中小企業が多くの時間を割く訳にはいきません。
株式会社インベントクリエイション側の予定と学校側の予定を調整するのもなかなか困難なものです。それでも、採用に関する情報は、できるだけ多くの学生さんに届けたいと思い、私自身、単独でも専門学校を中心に訪問いたしました。
【結果は?】何をするにも時には思い切って!
幸いなことに、大学からの反応があり、「面接を希望したい」という方を紹介していただけました。
今回は、採用に関する事例を紹介しましたが、これは、他の場面についても同様のことが言えるのではないでしょうか。
例えば「社内のコミュニケーションをより活発化させる」といった場合、提案だけ行っても、忙しい毎日ですから行動にたどりつけなかったり、膨大な時間を要してしまうことがあります。
それでは、企業はなかなか変化することはできません。
ですから、私の場合、次のようなことを考えます。
- 日々、従業員・経営者の方々と対話を行ってきたことをどう盛り込むか。
- 行動を起こすために必要な環境作り、準備物のサポートはできないか。
「ここまでやってくれて、本当に助かった」と言っていただけることもありますが、私が「ここまでやろう」と思えるのは、私自身も中小企業の経営者でもあり、
将来を見越して十分に考え、準備しないといけないことでも、忙しさのあまり後回しになりがちになってしまう。
という苦い経験を何度もしてきたためです。
この問題を少しでも解決しつつ、中小企業が成長し続ける体質になれば、地域もどんどん豊かになると信じているので、こうしたことまでやりたい・やらせて欲しいという気持ちでいっぱいなのです。