【事例】従業員がやる気になる!その第一歩で必ずすべきこと

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町野文孝

株式会社インターテック代表取締役・心理資本経営コンサルタント

これまで自身の中小企業経営の経験を活かし、様々な中小企業の人材育成・組織開発に関わる。方針を打ち出すだけではなく、自ら、企業に入り込み、従業員の方々とも対話を行いながら、組織を作りを行っている。
これまでに、関わった全ての中小企業は、現在も業績を伸ばし続けている。心理面がメインに感じられることも多いが、財務に関するプロでもあり、数々の資格を有している。

物価高の影響を受け、様々な大企業は賃上げを発表しました。ところが、私たちの様な中小企業は、

  • コロナで動きがなかった分をまずは取り戻したい
  • 光熱費・燃料費の高騰だって大きな痛手

賃上げどころか、ますます頑張っていかないと大変な状態なんだ…。というのが正直なところだと思います。そうなると、ますます「社風」や「従業員のやる気・モチベーション」がとても重要になってくることは否めません。

そこで、今回は、

Check!

「従業員のやる気を高め、財務状況を改善したい」と言われた時、
まず最初の段階でどの様なことを行なっているのか紹介

します。これまでに、東海・名古屋地域を中心とする様々な中小企業の相談に乗ってきましたが、ここで紹介する方法を実践することで、社内から前向きな人を発掘することに100%成功しています。

一部でも参考にしていただけたら幸いです。

目次

利害関係を取り除いて従業員の話を肯定的に聞く

仕事に限らず様々な場面で、「人の話を聞くことは大切」と盛んに言われます。もちろん、人は「自分の考えを分かって欲しい」という欲求をもっている生き物なので、「話を聞くことは大切」だということに異論はないでしょう。

ただ、人と人との間には利害が絡む複雑な関係があるのが通常です。例えば…

  • 今回の社長の考えには異論があるけれども、異論を唱えると嫌われ、働きにくくなるかもしれない。
  • 数学の木下先生の問題の解き方はナンセンスで、「別の方法で解いた方がいいのでは?」と意見を言ったところ、それ以降採点が厳しくなり、成績も下がってしまった。

大なり小なり、あなたもこうしたことを様々な場面で感じたり、耳に挟んだことがあるはずです。こうした要素を取っ払った状態で話ができる環境を作ってから話を聞く必要があるのです。

ここは非常に重要なので、繰り返します。

上司

会社について、言いたいことがあれば、何でも話してくれ。
今のままでも問題ないのであれば、「なし」でも構わない。

女性従業員

はい。別に何もありません…。

「何も問題ない」という返答は本当なのか?ということを考える必要があります。こうして改めて上司との会話を見ると、女性従業員は、本音で言いたいことが言えたのだろうか?と誰もが立ち止まることができるでしょう。

ところが、現実の話になると…

うちは、働きやすさについてもアンケート調査も定期的に行い、多くの従業員が働きやすいと感じているのに、全然、業績が落ちる一方なんだ。

という声が多いのも現状です。本当に働きやすい環境であれば、社内は明るく、業績も伸びる傾向が強いので、まずは、アンケートに本音が反映されているのか?というところも見ていく必要があります。

ただし、従業員の本音を利害関係を抜きにして聞くことは、経営者にとって非常に難しいことです。その様な場合は、私の様な第三者を活用することも一手となります。

100%前向きな人が現れる基本的な質問4つ

私が中小企業の人材育成や事業承継の相談に関わり、やる気を引き出したり、社風の改善を試みる場合には、個別または5〜10人程度のグループを編成して対話を行う様にしています。

この対話を続けることで私が関わった全ての会社で

Check!

「非常に前向きな人材」を発掘することができ、その方をキーマンとして中小企業の改善を構築していくこと

が多いです。どの様な流れなのか?またどんな傾向が見られるのかこれまでの経験をもとに解説します。

個別・グループでの対話で必ず行なっている4つの質問

闇雲に「話を聞きますよ」という姿勢を示しても決して建設的な話になることはありません。そこで、私の場合は、次の4つの質問を中心に話を展開させていく様にしています。

  • 今の会社の状態は良いですか。
  • 10年後の会社の状態は良い状態だと思いますか。
  • 現在、あなた自身の状態は良いですか。
  • 現在、あなたの身の周りの人の状態は良いですか。

既にお気付きの通り、10年後の会社の状態なんて想像できないという返答が多いのが現状です。場合によっては「そんなことは経営者が考えることだ」と言われる場合もあります。

この様に思われることは当然のことであり、最初の段階では「将来展望をもつことは大切」と言われながらも、深く考えることは難しいということに気付けることが大切だと思っています。

この様な段階も経ながら、将来展望について簡単なことを何度か考えていただくと…

必ず現れる人材

今の会社の現状は割と良い状態だと思いますが、このままの状態がずっと続くとは思えません。将来に向けて何をしたらいいのか分かりませんが、何かすべきだと思います。

この様な方が必ず現れてきます。

将来展望を考えることは確かに経営者の大切な仕事ですが、だからと言って、従業員に将来を考える機会を作らないと、こうした言葉に出会うことはできません。

では、反対にこうした質問をする際に注意しないといけないことは何でしょう。

ネガティブな人も必ず存在するということを理解しておくこと

これまでの私の経験から言えば、会社の状態や将来を考えると、残念ながら

必ずネガティブな発言をする人もいる

ということも事実です。例えば、

  • 時代の流れがこれだけ早いのだから10年後のことを考えても意味がない。
  • 会社の従業員は、年とともに入れ替わり(新規採用や退職)が起きるので、社風はその都度ガラッと変わるので、社風を作る努力をしても無駄。

この様な考え方です。こうした考え方が出てくる背景には、その方なりの経験がもととなっているために、その場で考え方を改める様に声をかけることはありません。

ここで重要なのは、

  • 全員がやる気に満ち溢れている状態をすぐに求めない。
  • 全体の10〜20%の人が前向きであれば非常に良い状態だと判断する。

ということです。経営者からすれば、立場はどうであれ、「従業員全員に給与を支払っているのだからもっとやる気を出せよ」と言いたいところですが、組織を変容させていくには、少しずつ進めていくしかないのです。

ネガティブな人に対してどの様に接していけばいいのかは、別の記事で解説します。

たった一人の若手のやる気が会社を変える!

中小企業を良い状態に変容させていくには、前向きな人をさらに育成していくことが効果的です。実際に、たった一人の若手のやる気が社内全体に広がり、社風が変わり、業績も伸びたという状況に何度も遭遇しています。

具体的には、次の様な流れを作ることが多いです。

STEP
前向きに考えられる人材を見つける。
STEP
前向きな人にやりがいのある仕事を任せる。
STEP
任せた仕事が上手くいく様に手厚くフォローする体制を整える。
STEP
本人の成長・仕事の結果などを評価しつつ、上司は大いに喜ぶ。
STEP
前向きな人に憧れる人が出てくる。

ざっくりですが、この様なイメージです。重要な点は、やりがいのある仕事を任せた後のフォロー体制です。

よくあるケースは、必ずフォローをすると伝えておきながら、形式的に声を掛けるだけで、問題が発生すると、「担当すると言ったのに何をしているんだ!」と叱るパターン。これでは、前向きに考える人は、「責任の重たい仕事をさせられ、叱られる機会も増える」ということになり、絶対に良い循環はうまれません。

前向きな人を増やしたいのであれば、

Check!

やる気のある人がヒーローになれる様に上司・経営者は徹底的に影で支えることを意識する。

ことが必要です。あなたのアドバイスのおかげで、大きな仕事が採れたとしても、その功績者はやる気のある若者でなくてはならないのです。

これが適切にできれば、必ず会社は変容していきます。

なお、「モチベーション維持に、やりがいは報酬よりも重要である」という話は、仕事に対するやる気の根源は?「報酬」or「やりがい」?の記事をご覧ください。心理学的な観点も含めて解説しています。

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「経営者は孤独なもの」とよく言われますが、私が目指しているのは、従業員から嫌われて孤独になるのではなく、従業員をヒーローにするために自分の努力も従業員の評価につなげるという孤独さを多くの経営者に味わって欲しいということです。

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この記事を書いた人

30年以上、中小企業経営を行っている。その間に大成功もおさめた一方で、離職などの影響もあり、経営の危機を何度か味わう。そこから再び這い上がりながら、「良い中小企業経営の形」を徹底的に追究。
現在は、自身の実践をもとに東海地域の中小企業経営のサポートを行い、関わりのある全ての会社の業績向上を達成し、採用に貢献。

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